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第18話  

星ちゃんはとても怖がっていた。

だから約束通りに三回電話をかけた。

あの時、聡が電話を取った時、星ちゃんはとても嬉しかった。

どんなに体が痛くても、後ろの人がどんなに怖くても。

彼女は兄が必ず彼女を助けに来ると信じていた。

でも、お兄ちゃんは来なかった。

彼はさらに言った、「夕星、いい加減にしろ。葵の状態は本当に危険なんだ。お前が助けられないなら、もう俺を煩わせるな!」

彼は星ちゃんを見殺しした。

実は、体を刺されたとき、とても痛かったです。

しかし、聡のその言葉の後、私は奇妙にもすべての痛覚を失った。

最後に頭が切り落とされ、体や四肢が切断されたときも、あまり痛みを感じなかった。

私は最初から最後まで一粒の涙も流さなかった。

聡はずっと泣いていた。

彼は自分でも知らないかもしれない。

彼の涙はずっと流れていたことを。

「どうして泣いているんだ?」

「嘘だろ。俺は泣くはずがない」

最後に彼は涙を拭い、病院からの電話を受け取った。

「もしもし、川上夕星様のご家族の方ですか?第一病院です。今日は川上様の妊婦検診の日です。彼女と子供はどちらも体が弱いので、時間通りに病院に来てください。」

聡は笑ったようで、止まっていた涙がまたゆっくりと落ちてきた。

彼は自分の頭を抱え、ぶつぶつと独り言を言っていた。

「星ちゃん、聞こえた?俺、パパになるんだ」

そうだね、聡。

あなた、パパになるはずだった。
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